おはようバッハ -4-

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おはようバッハ -4-

BWV94 この世がなんなのか

 

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初演 1724年8月6日 三位一体第9主日の聖書
試練と共に、逃れる道も備えられている。
Ⅰコリント10:6-13
不正な家令の話、ルカ16章
の礼拝のために作曲された
※ 詩編73:25「地上であなたを愛していなければ、

天で誰がわたしを助けてくれようか。」
  [BWV94 Was frag ich nach Welt]

 

 

1 この世がなんなのか
合唱
[この世がなんなのか 世の宝のことを
わがイエスだけが わが喜びなれ
あなただけが 寄る辺と頼み
わが憩いなれ この世には求めない。]
 

2 この世ははかない煙のような   アリア・バス この世は はかない煙や陰のように、
たちまち消える。
束の間の泡沫(うたかた)に過ぎない。
だがすべてが倒れ、砕ける時、
イエスは揺るがぬ心の拠り所、
私の心の拠り所である。
それゆえこの世がなんだと私は問おう。

 

3 この世は栄光と名誉を
求める

  コラールと朗唱 

 

 

 

 

この世は栄光と名誉を求め、位の高い人に群がる。
たかぶる者は宮殿を建て、最高の地位を求め、
紫の衣をまとい、着飾る。
金、銀や絹など、その名は広まり、世の隅々に鳴り響く。その鼻は空の雲に届くほどに
高きのみを求め、顧みはしない。
彼らの滑り落ちることはいかに速いことか。
時に、むなしい風が吹き、太ったからだを墓場へ送る時、その栄華は失せる。
哀れな虫のようにおごれる国の戯れは、
ああ、はるかな彼方に放たれ追いやられる。
されど我が誇りとするものは、
キリスト者に真の名誉と栄光を与え。
むなしい淵より私を救った霊。
それはイエス一人だけ、また永遠のたからである。
世は価値なしとしても、この世は何だろう。
4 欺かれたこの世
アリア、アルト
「欺かれたこの世、
その富と宝は欺かれたもの
むなしい富を数えてみよ。
私はこれらに背を向けイエスだけを選ぼう。
イエスだけが私の心の宝。」
5 世はわずらっている
コラールと朗唱
 

 

 

 

 

 

 

 

・バス
世はわずらっている コラール
何にわずらっている。朗唱
愚かしい、悩ます者は
辱めを受けたときに コラール
世よ、恥じよ、神は世を愛して一人子を賜い
罪のゆえに辱められ、あなたを救ったのに
イエスのために苦しみを受けないのか。
世の悲しみは大きいものではない。朗唱
企んで名声を貶めることこれなり。 コラール
優れた道は 朗唱
イエスの重荷を分かち、御心を歩むこと コラール
その苦しみはひと時であり、永遠の時には、それにかわり
賞賛と誉れを受けん。この世が嘲り、辱め、葬るとき、
イエスは私を受け入れ 朗唱
ねぎらわれる。この世は何なのか。 コラール
6 世は歓楽の虚栄の幻を
アリア・テノール
世は歓楽の虚栄の幻を高からかに称えてやまない。
世は歓楽の虚栄の幻を称え、顧みず称える。
世は糞土のような黄金を地中深くに掘りあさり、
夢中になり、天をわすれる。
世は糞土のような黄金を
モグラのように地の中に掘りあさり、

天のことを忘れ去る。
7 見えない世界にとらわれて
  アリア・ソプラノ 

 

見えない世界にとらわれて
何も心にかけなければ
この世はただおぞましい。
私はイエスだけを愛する。
私は悔い改め信じる。
かくて、豊かに、幸せになるだろう。
8 この世がなんなのか
          コラール
「この世がなんなのか、世はすぐに消え去る。
宝や名誉は 死に勝つ力はない。
貪欲よ去れ、イエスがいませば、
今一度言おう、この世に求めない。
この世がなんなのか、イエスこそわがいのち。
わが宝また名誉 わがすべてのもの。
み国のすべて わが身に余る、
今一度言おう、この世に求めない。」

三位一体第9主日の聖書
ルカによる福音書 16:1-9   コリントの信徒への手紙一 10:6-13

神が一人子を世に送り、そのイエスによって、共に生きる道を教えられた。
それは試練を逃れる道ともいえる。

 共に生きる道について、タイトルの [Was frag ich nach Welt] は
 この世でおこなわれていることはなんなのか。とも訳せるが、
この世がどれほどのものなのかとも訳される。

わたしは変声期前のトマス少年合唱団の少年が歌っていることを考え、
「この世がなんなのか」としてみた。

音符に歌詞をあてるときは分かりやすいことばに直そうと努めた。
全8曲編成の第8曲のコラールをどうぞ。

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